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“脱キャビネット選挙”の執行部誕生、問われるかじ取り(医療介護CBニュース)

 4月1日に投開票が行われた日本医師会の会長選挙では、茨城県医師会長の原中勝征氏が民主党との太いパイプを強調して当選を果たした。会長には原中氏のほかに、前職の唐澤祥人氏、京都府医師会長の森洋一氏が立候補し、各陣営はそろって「キャビネット選挙」を行わない方針を打ち出した。

 実際、1日に発足した新執行部は各陣営が推薦した候補者が就任し、脱キャビネット選挙を印象付ける陣容だ。政権との距離感が最大の争点になった今回の会長選。政治に対する考え方を異にするそれぞれの会長候補を支えたメンバーが混在する、日医の新執行部が船出した。

■原中会長「やりにくさ感じない」

 「国民に開かれた医師会、国民を守る医師会、国民の味方になる医師会を目指して活動していきたい」。
 新執行部の顔触れが出そろった1日夕、原中新会長は副会長に就任した中川俊男氏(北海道医師会)、横倉義武氏(福岡県医師会)、羽生田俊氏(群馬県医師会)と共に日本医師会館内での記者会見に臨み、こう強調した。

 今回の日医会長選は、「政権との距離感」(中川氏)が争点になった。原中氏は、後期高齢者医療制度の創設を推進した自民党を強く批判し、昨年夏の衆院選で民主党支持を打ち出した。今回の選挙戦では、民主党政権とのパイプの太さを一貫してアピールし続けた。
 これに対して横倉氏は、政権に頼らない運営を目指す森氏支持を表明。中川、羽生田両氏は自民党を支持してきた旧執行部で、常任理事として唐澤氏を支え続けた。

 記者会見では、原中氏が「(3氏とのやりにくさは)ない。前に理事をやった時からの仲間だ」と強調すると、中川氏が「今日から全力で原中会長の下で日本医師会のために全力を尽くす」と語るなど、副会長の3氏も原中会長をサポートする考えをそろって示した。
 とはいえ原中氏が今後、難しいかじ取りを迫られるのは確実だ。

 1日夜、原中氏の祝勝会の会場は、祝賀ムードに包まれた。原中氏は「3候補とも思いは一つだった」と今回の選挙戦を振り返った。
 会場には中川氏ら副会長も姿を見せたが、あいさつを済ませると、早々に会場を後にした。

■今村氏「残念でたまらない」

 「副会長選にも常任理事にも、前役員がかなり残られた」「会長の首はすり変わっても執行部の全体の“ケース”は絶対に崩れないと思う」
 会長選で3位だった前職の唐澤氏は1日夜、都内で開いた報告会のあいさつで、今回の脱キャビネット選挙の意義を強調した。

 会場には、支持者ら約260人が集まった。今後の方針について問われると、唐澤氏は「町の地域医療に取り組みたい」と、日医からは距離を置く考えを示した。

 唐澤氏の選挙対策本部で本部長を務めた東京都医師会長の鈴木聰男氏は、「予想以上にやってくれると期待している」と、原中執行部への期待感を表明した。
 一方で「原中先生と全く同じ思想でない人がいるかもしれない。会長としてうまくかじ取りすることが大事だ。今までは舵を取るまでもなかった」とも。

 唐澤陣営からの推薦を受け、旧執行部の常任理事にトップ当選した前職の今村聡氏(東京都医師会)も会場に姿を見せ、「残念でたまらない。4年間、会長(唐澤氏)と一緒に仕事をさせていただいて、これからもと思っていた」などと、涙ながらに語った。

 一方、原中氏に13票差で敗れた森氏は、会長選後、「執行部にはしっかりしている方がそろっている。悪い方向に行くとは思わない」と述べる一方、「(原中執行部で)役員が発揮できる力が5になるか、10になるかは分からない」。

■森氏「マスコミの餌食に」

 森氏の陣営はこの日、マスコミシャットアウトで報告会を行った。会長選挙を終えた今、森氏は「マスコミの餌食になった」との思いがぬぐい切れないようだ。

 選挙戦では、政権に頼り切るのではなく国民の支持を得た上で政策提言する大切さを一貫して訴えた。ところが、こうしたスタンスを政治的に中立だとマスコミに誤解された。
 知名度が低い東日本にどれだけ浸透できるかがカギと見ていたが、各陣営の政権に対するスタンスばかりが報じられた結果、自らの訴えが埋没したと感じている。

 「皆さん(マスコミ)の興味は自民党か、民主党かだったと思う。毛色の変わったのが入って、楽しく報道されたのではないでしょうか」


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